このところ旅行が復活する兆しのニュースが少しずつ報道されていて添乗員の求人も目に付くようになってきました。
ツアーに参加したことがある方は添乗員の仕事内容を見たことがあってなんとなく知っているかもしれませんが、実際どんな感じなのかよくわからないという方も多いと思います。
今回は
添乗員の仕事って大変?キツイ?
ブラックって本当?
という疑問に 海外旅行の添乗員をしていた筆者がお答えします!
この記事では大変なポイントにクローズアップしますが、近々楽しいポイントについても詳しくお伝えしますので辛いだけではないよ(笑)ということは一応先に言っておきます。。。
ちなみに筆者は 添乗員の派遣を行う会社に所属し、H〇Sや〇TBなどの大手旅行会社に派遣され添乗員として10年ほど働いていました。
それでは求人情報だけではわからない、添乗員の裏側を順番に見ていきましょう!
業務内と業務外の時間があいまい
出発前の業務
打ち合わせでは一応 2~3時間分の時給の手当が出ますが、時間内ではお客様への出発電話がつながらなかったり持ち帰らなければいけない仕事が出てきます。
電話は一度かけていて出ないならお客様の都合なのでこちらとしては義務は果たしてますが時間や日を変えて何度かかけてあげるくらいの親切心を見せないと会う前から印象が悪くなるので何度もかける添乗員が多いです。しかしその分の給料はでません。
フリータイムは労働時間にならないこともある
北米やヨーロッパの大都市では大抵フリータイムがあり、お客様が各々好きに過ごします。
終日自由行動なんてことも多いです。
添乗員にも自由時間はありますが、オプショナルツアーの送り迎えもありますし、緊急用の携帯電話は常に出られるようにしていなければいけないので心から休まる時間ではありません。
しかし実際には8時間分は労働時間として給料が払われますがそれ以上は実際に何か対応した場合でないと出ないという規定の会社が多いです。
通常の感覚だと「待機時間=労働時間」なので腑に落ちないという添乗員も多いです。(でも立場が弱いので会社相手に争う姿勢をとれません。。)
飛行機の移動時間は労働時間にならないこともある
私が所属していた会社の場合は離陸後1時間と目的地到着1時間前からは業務だけどその他は業務時間ではないということで給料が出なかったです。
もし緊急で体調不良があり機内で対応した等あれば別途申請しておりれば出るといった具合です。
なのでお客様が機内で近くの席になってしまっていた場合は気を遣って休まらないのが嫌で何としても離れるべく全力を使っていました。
基本的には時給制
上記にもあるように基本的に時給制で働いています。2014年前後の添乗員が未払い賃金を求めた裁判の判決で添乗員の業務は時給で管理できるということが言われたので日給制ではなく時給制での計算をするように変わっていきました。
時給は1000円~3000円位で派遣先や派遣元の会社規定、行先、仕事内容で変わってきます。
私の場合、ある会社の仕事では 日本人ガイドがずっと付いている国(アジア、アメリカ、トルコ、エジプト等)は添乗員の負担が軽いということで時給1250円、ヨーロッパと南米は1450円、何か特別なしばりがあるツアーだと手当として一日数百円追加という形で設定されていました。
お客様評価が高く、受けられる仕事の幅が広いと 会社からも逃したくないと思われるような「売れっ子添乗員」になり、時給も上がりますしより手当が付いたりします。
しかし格安ツアーが人気を集めたりするので旅行業は薄利多売です。添乗員の給料など抑えるに越したことありませんので会社もそう簡単にはあげようとしません。
添乗員の99%が雇用形態は派遣 なのでとても不安定
添乗員を旅行会社の社員だと思っている人もいますが99%が外注の派遣です。
旅行会社によって専属の子会社を持っていたり、総合的な添乗員の派遣会社をつかって必要に応じて人材を確保します。
ツアーは催行されて初めて利益がでますので、催行されない時には給料を払い続けることは難しいから当然かなと思います。
しかし派遣ということは、仕事がなければ派遣されず 仕事量が補償されているわけではありません。
地震、戦争、流行り病などで旅行業界はすぐに影響を受けますし、添乗員自身の健康状態などで仕事ができないとその分稼ぎは少なくなってしまいます。
お客様への謝罪&対応を最前線で一人で行う
手配上のミスやトラブルで食事、宿泊、観光について日程表で約束しているものを用意できなくなった場合に現場でお客様の前にいる旅行会社の人間は自分だけです。
お客様にとってその場で不満を伝えられる相手は添乗員だけなのでかなりキツイあたり方をされることもあります。
例え自分に全く非がなくても謝罪し、本部と連絡を取り合いながらその後の対応に追われます。
天候やストライキなど旅行会社にも責任がないこともありますが、まずは安全を確保してお客様にとって最善の代替案を提示するためできる限りのことをします。
飛行機の座席がお連れ様と並びにならなかったら機内でもギリギリまで変更できる席がないか探して他の乗客に声をかけることもあったり、
バスが故障して行程が大幅に遅れて観光がタイトになり、パリにてお詫びの品を40人分用意したり、
ガイドが寝坊して来なかったり、、
あげればキリがないほどトラブルは起こります。
なので添乗員同士の飲み会はネタが尽きなくていつも時間がたつのがあっという間です。
困ったお客様ともツアー中は朝から晩まで一緒にいる
どんなに困ったお客様ともツアーが始まってしまうと朝から晩までずっと一緒にいることになります。
- 何にでも文句を言ってくる人
- 他の参加者を不快にさせる人
- 自分と合わない人
よっぽど他の参加者に迷惑をかけたり、会社へ損害を与える場合は強制的に離団させることもできるようですが私の近くでは聞いたことはありません。
パワハラ・カスハラ・セクハラはとりあえず耐えて詳細なメモをとり可能であれば音声など証拠を残し会社へ報告し後日ブラックリストに入ることを願うのみです。
お客様のアンケートがある
参加者にツアーを評価してもらいそれを今後のツアーに活かしてさらに良い商品を提供できるようにするため、お客様にアンケートを書いてもらいます。
その中にはツアーの食事、ホテル、観光内容、ドライバーだけでなく添乗員の評価ももちろんあります。
ほとんどのお客様は感謝をつづってくれますがやはり不満を持っている方もいます。
ツアー中にそれに気づけて解消できていればいいですが、気づけていなかったり解決までは出来なかったりするとアンケートに怒りをぶつけてくる方もいます。
実際にはお客様の勘違いで添乗員が悪くないのに逆恨みなこともありますが数字を集計してそれがゆくゆく評価・査定にかかわるのでツアーが終わって解放感に浸りながらアンケートをチェックしていて残念な評価があると一気に落ち込みます。
切り替えが苦手なタイプの添乗員はアンケートを重いストレスに感じて病んでしまうこともあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
添乗員の仕事の大変なところをまとめてみると、なんだかとてもキツい仕事に見えますね。
でも実際にはキツさだけではなくて、他の仕事では味わえない面白さ、楽しさがあるから給料が安くて不安定でもハマってしまって辞められない人もいる そんな仕事です。
今後の記事で添乗員の仕事の面白さ、なり方、給料、向いてる人なんて内容も書いていこうと思うのでまた見ていただけたらと思います♪